マイニング効率が大きく向上、消費電力の無駄は誤解
ビットコインのマイニングに係る消費電力はメディアの批判の的となっているが、新たな研究結果によると電力の消費効率は飛躍的に改善しているという。カナダで仮想通貨のマネジメントやリサーチを行うNode BlockchainのSaad Imran氏が、最新の研究を公開した。
Imran氏によると、マイニングの消費電力は少なくとも3倍は多く見積もられているとのことだ。マイニングに使われる年間消費電力は世界の消費電力の0.12%で約13億ドルだ。
マイニング自体は、技術革新によりその性能が年々向上している。マイニングの初期の頃はCPUで行われていたが、次第にGPUが使われるようになり、現在はASICが主流となっている。
2014年にASICが登場して以来、マイニングに係る電力消費効率は8.7倍に伸びている。これは、コンピュータの電力消費効率の伸び率を表す「Koomeys Law」の予測を上回っている。Koomey
s Lawでは、コンピュータの電力消費効率は技術革新により、1.5年毎に2倍になるとされている。
ここ1年間のビットコインのマイニング電力消費は3倍に増えている一方で、ハッシュレートは6.5倍にまで増加しており、マイニングが効率化していることがわかる。
マイニング企業は事業の効率化が収益に直結するため、業界全体として事業の最適化が行われる。時間の経過とともに、非効率な業者は採算が合わなくなり事業を続けることができなくなるため、より効率的な業者のみが生き残るようになる。
マイニング事業の効率化には最新のハードウェアを活用する他に、安価な電力を使うといった方法が取られる。マイニングは世界のどこでも行うことができるため、企業は世界で最も安価な電力を供給できる地域で事業を行う。
今回の研究によると、マイニング企業は再生可能エネルギーや余った電力を主に活用しているとのことだ。水力や風力といった自然エネルギーは、発電システムさえ構築してしまえば限界費用はゼロであり、オペレーション・コストを大幅に抑えることができる。
中国ではASIC開発を行う企業が多く存在するため、マイニングも盛んに行われている。中国国内のマイニング工場は、水力発電所があり電力供給過多の地域に点在していることが確認されている。
マイニングの消費電力が批判を受ける一方、世界のIT企業が活用するデータセンターは世界の年間消費電力の2%を使っている。マイニングに使われる電力の133倍だ。さらにデータセンターの電力消費効率が1.6〜1.8であるのに対し、マイニングは1.03〜1.33と30%以上も効率が良い。
マイニング業界には常に技術革新が起こっており、電力消費効率に優れたハードウェアや技術が生み出されている。現在、AIを活用したASICが開発されており、実用化されればデータセンターの消費電力も大幅に削減される可能性もある。
引用元: ビットコインニュース
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